第13回『充実のパリ7日間』

2011年7月4日 三代目奮闘記

充実のパリ7日間 2011_07_04

パリ航空ショーが無事終了した。初めての出展だったが、さまざまな方のサポートもあり、大きな問題もなく全日程を終えることができた。この7日間で得られた成果は大きく、すでに見積もりを送ったり、サンプルの加工をスタートさせたりと、実際のビジネスにつながっている。

 

由紀精密のブースは1コマだが、角で2面が通路に接していたことと、ちょうど入り口から通路の突き当たる場所にあることもあり、目立っていた。ホール6という、どちらかというと地味で小さいブースが集まっているところに位置し、ジェットエンジンまるごとといった派手な展示はない。その代わり、それぞれに特徴的なさまざまな国からのブースが集まり、まわりの出展者とコミュニケーションを取ることも楽しみの一つになった。

 

会場ではさまざまな言語が入り乱れる。英語で全部OKかと思っていたらそんなことはなく、フランス語を話せるパリ在住の親戚に手伝ってもらえたことは大きかった。由紀精密ブースでは英語、フランス語、あいさつくらいならイタリア語、スペイン語、スロバキア語まで飛び出し、外国語が苦手な日本人のイメージを少しは払拭(ふっしょく)できたかもしれない。相手の母国語を私たちが話すと、とても会話が明るくなる。若い頃から海外経験が豊富な人は、多少文法がわからなくても、辞書を片手にどんどん言葉を繰り出していく。ここは日本生まれ、日本育ちの私も見習わなければいけない点である。

 

今回、実際に出展してみて初めてわかったことは数多く、何から話したらよいか迷ってしまう。まず、日本人として注意を払わなければいけないのは、自分の身を守ることであろう。期間中に身近な日本人がスリにあうなど、日本以外の国でスリ、強盗は日常茶飯事であり、治安の良いところ、悪いところを把握しておかないと痛い目にあう。また、ストによる交通機関のまひもごく日常的で、バスも交通渋滞により出発地点が変わったりする。会場とホテルの往復だけでも毎日気を使う。タクシーも展示会に便乗して高い値段をふっかけられたり、日本では全く気にする必要の無いところでも気を抜けない。ただ、フランス人は日本人ほど細かいことは気にしない文化らしく、自分がミスする分、他人のミスには寛容である。時間通りに始まらないかわりに遅れても文句を言われない。ある意味、慣れてしまうと楽かもしれない。

 

飛行機が大好きな世界中のエンジニアと、野外で行われている戦闘機のデモンストレーションの爆音に負けないように大声で熱く語りあう。こんな機会が持てるなんて、数年前では想像もできなかった。夢は実際に言葉に出し、実行に移すことで実現できるのだと強く実感した。

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(日刊工業新聞 2011年7月4日付オピニオン面に掲載)

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