第24回『欧州進出5年計画』

2011年10月10日 三代目奮闘記

欧州進出5年計画 2011_10_10

フランス、リヨンの古いビジネスホテルで原稿を書いている。きょうはローヌ・アルプ州企業開発国際局(ERAI)とのミーティングを行った。由紀精密の海外展開は、日本脱出が目的ではない。むしろ、日本の零細中小製造業が世界で戦えるか?そのためには何が足りないか?を率先して実証することが目的である。展開する先も、発展途上国ではなく、先進国。最先端の研究を常に行っているところの近くに、最先端の加工技術を展開する。もちろん日本もその中の一つで今後も最も大切な拠点に変わりはない。先進国の中でも、現在フランスに最も力を入れている。飛行機、宇宙開発、自動車、医療機器など、多くの分野で最先端の研究をしていることはもちろん、地理的にも欧州の中心で大変魅力的。フランスで成功すれば欧州全域との取引へのきっかけとなる。

 

私は2010年に欧州進出の5年計画を立てた。2011年パリ航空ショー出展、2012年現地オフィス展開、2013年現地法人立ち上げ、2014年地元企業のM&A、2015年現地工場稼働、といった計画であった。現在、パリ航空ショーが終わり、パリに情報収集の拠点として小さなアパートを借りた。幸運なことに、私の親戚がおよそ10年前からパリに在住しており、フランス語も堪能なため、現地の情報収集、営業活動を手伝ってもらうことになった。

 

今回は、今年3度目の渡仏。さまざまな情報源から、より具体的にフランスでのビジネスを検証する。もちろん、仕事がなければ話は始まらない。現在、由紀精密の一番のお客さまは欧州が本社の会社である。日本の価格で、付加価値の高いものが欧州で受け入れられることは実証されていると言ってよい。しかし、今までは日本の子会社を通しての取引であり、欧州に展開しているとは言い難い。

 

どうやって現地に入り込むか? 大手のメーカーは最終製品を作り、海外に売る。しかし、中小製造業は1社でできることが限られ、多くの協力企業との連携ではじめていろいろな製品を作れる。海外に1社で乗り込んで仕事をしようとしても、全く成り立たない。地元企業との連携をいかにうまく作れるかがポイントとなるだろう。そのためにも、今回のERAIとのミーティングはとても重要であった。英語・フランス語・日本語の入り乱れる打ち合わせ。私のたどたどしい英語のプレゼンも熱い思いは伝わったようだ。フランスでの中小製造業の活動の中心はどこで、どういったクラスターがあり、どのように進出していけばよいのか?たくさんのヒントが得られた。明日はトゥールーズへ移動し、エアバス本社工場見学と、そこで働く日本人の方々とお会いする。

20111010

(日刊工業新聞 2011年10月10日付オピニオン面に掲載)

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