第48回『海外進出ってどうなの?』

2012年4月30日 三代目奮闘記

海外進出ってどうなの? 2012_04_30

由紀精密は、ここ数年ではあるが、中小企業でも積極的に海外に目を向けようと、海外展示会への出展、現地企業との積極的な交流を進めてきた。そしてその状況は新聞、雑誌、講演会、ウェブサイトなどを通じて発信してきた。一方で、何年も前から海外に進出し販路を開拓、現地生産を進めている諸先輩経営者の方々からも刺激を受けている。

 

先日、海外にすでに工場を持ち、製造を移管している企業3社の方々に混じって、これから欧州進出を目指す由紀精密の代表としてパネルディスカッションに参加した。ほかのパネリストは五光発條の村井秀敏社長、エムアイモルデの宮城島俊之社長、昭和精工の海老澤紀道課長。五光発條は精密スプリングを製造し、22年前に取引先の海外生産に合わせてタイに進出。8年前にベトナムに進出するなどアジアでの生産を積極的に進めている。エムアイモルデは射出成形の金型をメーンとし、2年前に中国工場を立ち上げた。現在では生産のすべてを中国に移管している。

 

昭和精工は精密プレス金型を得意とし、金型企業としては規模が大きく国内で84人の従業員を有する。生産拠点のグローバル化に対応し、昨年タイに工場を立ち上げた。 実はパネリスト3氏とは以前から交流があり、それぞれがせわしく海外へと飛び回る中で、どこかで情報共有できないかと考えていた。 ならば、その内容を聞きたいと思っている方々を集めてやりましょうとモールドテックの落合孝明社長が企画したのが今回のパネルディスカッションだ。

 

あっという間に定員いっぱいの参加希望者が集まり、「中小企業が海外に進出するってどうなの?」というテーマで、パネリストと参加者がそれぞれの成功談、苦労話、「そもそも海外に進出すべきか」「日本の目指すモノづくりは」など、3時間をオーバーする熱い議論をした。 海外進出を勧めるセミナーや、支援機関、コンサルティングなどは数多く存在するが、進出企業の生の声を当事者から聞ける機会は意外と少ない。まだまだ話し足りない、質問しきれていないということで、すぐに次の企画が持ち上がった。

 

単に安い労働力を求めて、あるいは顧客の進出に随行して、という理由だけではなく、それ以上に日本と海外との関係、製造業の将来についてもっと根本的で重大な何かを求めるヒントの一つを得られた気がする。何より、皆明るく、前向き。そもそも、海外にチャレンジし、実際に行動する会社は元気であり、しっかりとしたポリシーを持っている。同じ中小製造業として話を聞くだけでもワクワクする。

20120430(日刊工業新聞 4月30日付オピニオン面に掲載)

Next » « Prev