第49回『世界で通用するビジネスとは?』

2012年5月14日 三代目奮闘記

世界で通用するビジネスとは? 2012_05_14

約1時間遅れて、中国国際航空のエアバスA330で上海浦東国際空港に到着した。初めての中国。台湾には出張で行ったことがあったが、大陸は初めてである。世界の工場とまで言わしめ、日本の製造業が恐れる中国とはどんな国なのだろう。

 

空港から上海市街までは、世界初の商業用磁気浮上式鉄道である上海リニアに乗った。電光掲示板でのスピード表示がある。空港への到着が遅れたため、最高速度は夜間の上限である時速300キロメートルに抑えられていたが、かなりの揺れがあり、これが同400キロメートルを超えたらどうなってしまうのかと少し不安になった。しかし、あっという間に商業運転までもってきてしまうところはさすが中国。日本のリニアの商業運転は15年先である。

 

陸家嘴のビル街に下りてみると、そこには新宿西口のビル街をスケールアップしたようなとてつもない高層ビルが林立している。ビル一面が全てデジタルサイネージになっているものもあり、派手さもケタ違いだ。しかし、そのビルの規模の割には地下鉄も空いているし、道を歩くビジネスマンも日本ほど多くないように感じた。 ショッピングモールも非常に高級な作りだ。おそらく有名な建築家によるものだろう。しかし中に入るとどこか寂しい雰囲気が漂う。照明が暗いからか。テナントが入っていない店舗の中には段ボール箱が山積みになっていて、どこか東京とは違った雰囲気だ。

 

道を歩くとまず目を引くのが電動スクーターである。静かに近づき、電子音のクラクションを鳴らして追い越していく。交通ルールは明らかに車優先。横断歩道を歩く歩行者をどかして車が走っている。これは日本以外のアジア諸国では標準であろうか。 上海の平均年収は、おおよそ日本の平均年収7分の1だそうだ。これでも20年前の約10倍になっている。スターバックスでラテを飲む。円に換算すると日本とほぼ同じ値段だ。ということは、ここでお茶をしている中国人は、日本では2000円以上するラテを飲んでいる感覚か。隣の中国人に流ちょうな日本語で話しかけられる。日本で働いていたこともあるそうだ。

 

今回の滞在はビジネスも観光も含めて実質2日間。2日間では何も分からないが、多少なりとも何かを感じることはできた。世界で仕事をするということは、世界の文化を理解し、順応させる必要がある。一方で、スターバックスのように世界で共通のものを売っている会社があり、そこに集まる人もいる。上海の素晴らしい夜景を見ながら考えを巡らせた。
20120514(日刊工業新聞 5月14日付オピニオン面に掲載)

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