第53回『5度目の渡仏』

2012年6月18日 三代目奮闘記

5度目の渡仏 2012_06_18

グランボルナン。フランスとスイスの国境近く、アルプスのスキーリゾート地に来ている。ここで開催されているのが、ヨーロッパ・メカトロニクス・ミーティング(EMM)だ。昨年5月に初めてフランスを訪れてから今回で5回目の渡仏になる。

 

今回もシンクフォーの山下祐社長、ダイショウの石塚裕社長が一緒だ。パリから高速列車のTGVで2時間。リヨンに向かい、そこからレンタカーでサンテティエンヌへ。 前回の訪問から話を進めてきた地元の製造業と、パートナーシップに関しての具体的な話が進んだことは大きな収穫だった。

 

その後、リヨンからスイスのジュネーブ方面へレンタカーで移動し、フランスで最も美しいと言われる湖を持つアヌシーへ。現地企業を買収して大きく展開している日本企業の方々とミーティングした。そこから約1時間、アルプスの山を山下社長の運転で登ってここまで来た。 アヌシーもそうだが、フランスの観光地の風景は美しい。日本も負けず劣らず美しいが、何かが違う。そこに存在する人工物の、自然との調和の度合いが異なるように感じた。アルプスの山にとけ込むシャレー。何百年も前からそこに存在しているであろう石造りの教会。どこを切り取っても絵になる。

 

EMMに長野県の製造業が出展していた。デスクトップファクトリーということで、超小型の高精度マシンを複数台連結して自動ラインを構築する。今年のEMMのテーマはエコロジー。まさにテーマに沿った秀逸な展示で、同じ日本の製造業として誇らしい。日本人同士でも、このような場所では違った話で盛り上がる。

 

他に複数の電気自動車(EV)の展示もあり、実際に運転もできた。EVを運転しながらアルプスの山を見渡す。フランスは原子力発電の依存度が世界最大の国でもあることが頭に浮かぶ。いろいろな意味でグランボルナンはエコロジーを考えるには最適な環境だろう。

 

話をリヨンに戻す。リヨンではわれわれの目指す”日本の高品質を世界へ”という目標を実践している女性経営者と面会できた。この会社は日本国内で50人規模で化粧品の原材料を製造し、フランスの有名ブランドに販売している。今後はフランス国内での研究開発にも力を入れていくそうで、業界は違えど目からうろこの話をたくさんうかがえた。

 

このような機会を与えてくれたのは、フランス、ローヌ・アルプ州企業開発国際局だ。フランス側からこのような支援を受けられることは大変ありがたい。パリのエアショー出展を最初の目標に始まったこの欧州進出プロジェクトも具体的な形が見えてきた。

20120618(日刊工業新聞 6月18日付オピニオン面に掲載)

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