第58回『ソーシャルメディア活用』

2012年7月30日 三代目奮闘記

ソーシャルメディア活用 2012_07_30

由紀精密には営業社員がいない。よって、足で稼ぐ営業はできない。その代わり、インターネットを活用した営業が実績を上げている。かつては自社のホームページを持っている会社が強かった。その後、ページが上位に表示されるようにSEO対策に力を入れた。ここまでは多くの会社が実践し、成功例も多い。ということは、ここまでやっても差別化ができなくなっているのが現状だ。

 

由紀精密は自社サイトとは別に切削加工のノウハウを集めたページを立ち上げ、切削加工で検索するとグーグルで1位か2位に表示されるまで持ってきた。自社のアピールではなく、お客さまが本当に検索して知りたい情報を提供するということが目的だ。ここから、自社サイトに誘導することで自社サイトのアクセス数も増やせる。

 

ソーシャルメディアとして最近、注目を集めているフェイスブック。由紀精密も自社ページを持っている。通常のホームページとフェイスブック上のページは何が違うか?

 

ここには展示会に出展した情報や、マスコミに取り上げられた情報などをアップデートしている。ここまではブログと同じだ。違いの一つとして、情報の発信元と受け取り側の相互関係が非常に強いということが挙げられる。由紀精密の情報を受け取りたいユーザーは由紀精密のページで「いいね!」ボタンを押すことで、更新される情報をいち早く確認できる。また、投稿内容に興味を持った場合はコメントできるだけではなく、同じ投稿に対してコメントをしたもの同士が個別につながることもできる。フェイスブックページを通じて、人々の輪が広がって行くイメージだ。

 

例えば今年2月に行われた全日本製造業コマ大戦は、フェイスブックを通じて参加者を募った。あっという間に全国から定員を超える応募が集まり、大変盛況の大会となった。さらに、この大会の様子もソーシャルメディアを通じて広がった。

 

20日に日立市から茅ケ崎市に多くの企業の皆さまが見学にいらっしゃった。ここで実験を行った。工場に来ていただいた皆さまにフェイスブックを通じて由紀精密の情報を発信してもらったのだ。すると、由紀精密のページのアクセス数は短期間で十倍以上に跳ね上がった。

 

フェイスブックを活用することで、自社が自分で発信するだけでなく、他人が発信してくれる情報も生かせる。その影響は想像を超えるところまで来ていることが証明された。インターネットでの発信、それにリアルな世界での交流。このスパイラルで、20人に満たない町工場でも、かつては考えられなかったくらいの人々に影響を与えられる。

20120730

(日刊工業新聞 7月30日付オピニオン面に掲載)

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