第71回『パリで高い評価』

2012年11月19日 三代目奮闘記

パリで高い評価 2012_11_19

パリに来ている。昨年5月から数えて8回目となる。今回は世界で最大級のサブコントラクター(下請業者)の展示会である「MIDEST PARIS」への参加だ。昨年の展示会に調査に訪れ、現実的な商談が盛んであることを把握しており、出展は早い段階で決意していた。

 

この展示会には世界各地から1724社の製造下請け業者が出展している。驚いたことに日本からの出展はわれわれだけである。他のアジア諸国、特に中国企業は積極的で、50社を超す。台湾からも10社以上の展示があった。日本は海外出展、特に欧州出展には消極的であることが分かる。

 

今回、由紀精密のブースにはCmonoC(茅ケ崎ものづくりサークル)から3社、他にも日本を代表するような高い技術を持つ2社のサンプルも展示した。日本唯一のブースということは日本代表のようなものだという意識で、できるだけ多くの方々に際立った日本の技術を見てもらいたいという強い思いがある。  来場者数は例年5万人弱と特別に多い展示会ではないが、専門分野の方が多く、濃い内容の話ができる。具体的に名刺交換を行い、深く話し合えたのが3日目までで40人。そのうち10件くらいは具体的に商談が進みそうである。

 

今回の展示会で目を引いたのは、一つが由紀精密のサンプルでは定番のインコネルメッシュである。フランス人から「信じられない。こんなものは日本人しか作ろうとしないだろう」という反応があった。また、マイクロ加工シリーズとして、由紀精密の切削マイクロねじと一緒に、最上インクス(京都府右京区)がプレスで作ったマイクロアリと、かいわ(山梨県上野原市)が射出成形で作ったマイクロクワガタをマイクロスコープで拡大して展示した。こちらは、特にジュエリーデザイン関係の方々に人気があり、「日本に是非見学に行きたい」と強い興味を持ってもらえた。デザイン関係の来客者が多いのもパリならではだろう。

 

シンクフォー(茅ケ崎市)のバイクパーツも、品質の高さに「ここまでやるか」という反応があった。フランスは2輪レースが活発なことで有名である。ダイショウ(茅ケ崎市)の4軸加工のサンプルは、多くの方が手にとって楽しそうに回して見ていた。

 

空き時間に世界各地のブースを見てきたが、他の国に負けていない。日本の製造業の技術は世界的にも競争力がある。それは確信できる。しかし、アピール力が圧倒的に足りていないことも同様に感じた。残すはあと1日。最終日は来場者も減り、通常より2時間早い16時に終了する。名残惜しいが、きっちりとアウトプットを出したい。

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(日刊工業新聞 11月19日付オピニオン面に掲載)

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