JIS Q 9100

JIS Q 9100とは

由紀精密では、2008年1月にISO9001、2010年1月にJIS Q 9100を認証取得致しました。
複数の航空機部品製造に携わっております今日におきましても、航空宇宙防衛産業で求められる、より高度な品質を常に追求する姿勢を失わない活動を日々心がけております。
このコンテンツではこのJIS Q 9100に関して少し触れさせていただきます。

1.JIS Q 9100とは

JIS Q 9100とは、ISO9001に航空宇宙防衛産業における特有要求事項を追加した品質マネジメントのJIS規格です。
JIS の規格書を取り寄せて要求事項を取り寄せるとわかりますが、ISO9001の要求事項はすべて含まれています。
これに太字斜体で国際的に共通な航空・宇宙・防衛産業界特有の要求事項が追記されています。

===以下、JAQGWebサイト「JIS Q 9100関連規格の現状」より引用===

JIS Q 9100のISO9001に対する追加要求事項
1. 特別要求事項/クリテイカルアイテムについての要求事項
2. キー特性についての要求事項
3. 製品の適合性と納期どおりの引渡しに関する成果を含む実施状況の測定についての要求事項
4. プロジェクトマネジメントについての要求事項
5. リスクマネジメントについての要求事項
6. 形態管理についての要求事項
7. 作業移管の管理についての要求事項
8. 設計・開発の検証及び妥当性確認の文書化及び試験項目についての要求事項
9. 供総者の承認状態、承認範囲と登録についての要求事項
10. 製造工程の検証(初回製品検査)についての要求事項
11. 製造工程の変更管理、製造設備等についての要求事項
12. 引渡し後の支援についての要求事項
13. 製品の合否判定についての要求事項
14. 他のプロセス又は製品に及ぼす不適合の影響を封じ込めるための処置についての要求事項目
15. 適時及び/又は効果的な是正処置がとられていない場合についての要求事項

===================

2.世界標準の航空宇宙産業の品質マネジメントシステム規格

また、JIS規格ではありますが、米国ではAS9100、欧州ではEN9100という互換規格があり、相互認証されています。
参考:航空宇宙品質センター(以下、JAQGと略す) – 「JIS Q 9100認証制度」
取得すると自動的に9100規格を取りまとめているIAQG(International Aerospace Quality Group)の「OASIS」という登録企業データベースに登録されます。

(※下記は弊社情報の表示例です。)

JISQ9100

OASISを運営するIAQGの会員には世界的な大企業が名を連ねています。
参考:IAQG Webサイト 「Membership > Companies」

JIS Q 9100取得のメリット/デメリット

弊社ではJIS Q 9100取得のメリットやデメリットには次のようなものがあると認識しています。

【認証取得のメリット】

1. 世界共通の規格である
2. OASISデータベースへの登録、公開
3. 認証内容にISO9001も含まれる
4. 取引条件として掲げる企業の増加(※1)
→下記詳細の通り。

※1 取引条件として掲げる企業の増加
航空関連各社が取引条件として採用しています。また、開発機関などで品質要求事項として採用される動きも活発です。

具体的な状況(SJAC2009年4月度会報より

ボーイング、エアバス、ロールスロイス、三菱飛行機
IHI、川崎重工、富士重工、三菱重工
NASA、JAXA(宇宙航空研究開発機構)、防衛庁

取得が必須の場合には取引を行っている企業に取得要請をし、それでも未取得の企業に関しては転注の対象となります。
航空・宇宙・防衛産業各社と取引を既に行っており、9100規格の取得をしていない企業にはリスクとなりますが、これらの企業との取引がないがこれから規格取得を目指す企業においては大きなチャンスとなります。
参考:JAXAが衛星発注時の品質基準を自社規格からJIS Q 9100に置換え

【認証取得のデメリット】

1. 管理コストの増大
→他社事例をそのまま適用しない、IT化と組み合わせるなどの対策が必要。
2. 取得自体のコスト
→ISO9001よりは取得・維持にコストがかかる。
3. 参入障壁が高い?(※2)
→新規取引までには非常に時間がかかる。

※2 参入障壁が高い?
発注をする側の企業からすると外注先の変更は工程変更に当たります。既存品の転注による受注に関しては、JIS Q 9100規格やプライムメーカー固有の工程変更に関する要求により、面倒な手続きが必要となっており、業界への参入障壁の高さの一因となっています。
新機種の部品を受注する際にも取引先の評価や登録に関する数多くの要求があり、既存の企業よりも取引開始までに時間と工数を要するという不利があります。
一方で一度流れ始めた仕事はその部品や組み込まれるユニットが乗る最終製品が飛び続ける限り流れ続けます。量産が終了してもメンテナンス部品の需要がある程度見込まれるからです。前述のとおりサプライヤの変更にも工程変更の手続きは必要で、一度取引が始まれば転注のリスクも非常に低いと言えます。