由紀精密は、インコネル等の耐熱耐食超合金をはじめ、その他ニッケル合金、チタン等の難削材の加工を得意としております。
難削材の加工技術を追求し、下記のようなサンプルを作成致しました。
■ 形状の特徴
Φ12の棒材に対して、ハニカム形状を90°でクロスさせた状態に加工しております。メッシュ部では残された部分は、2.7%の体積比になり、97.3%の体積を除去しています。残された部分の厚みはおおよそ0.2mm。
インコネルとはいえ、ここまで細くしてしまうと剛性はほとんどなく、バネのように柔軟に曲がります。
■ 素材の特徴
インコネル600(JISG4901:NCF600)は、ニッケルが72%以上含まれる耐熱耐食超合金で、耐熱温度は1000℃を超えます。よって、高温環境で使用される、ジェットエンジンや燃料電池等、付加価値の高い製品に多く利用されています。
耐熱合金に一般的に見られるように熱伝導率が悪いため発熱が激しく工具寿命が著しく悪いことに加え、その発熱で加工硬化を起こしてしまうことで、被削性は非常に悪くなります。さらに、粘っこくバリが大きく発生してしまいます。
■ 加工方法・工夫点
棒材を側面から縦型マシニングセンタ(碌々産業製CEGA-542)で特殊なエンドミルを用いて加工しています。まず1方向からハニカム状に削り出し、さらにそれを90°回転させて、同じようにハニカム状に削ります。
由紀精密では航空・防衛・エネルギー分野に多数のインコネル製品を供給しており、加工の実績はかなり積んできております。
しかし、難削材のインコネルに小径ロングエンドミルで削るだけでも困難な上、加工が進むにつれて、材料の剛性が著しく落ちてくるため、最後まで安定した切削条件を保つ事はほぼ不可能です。
その問題を解決するために、特殊なエンドミルを使用して、刃先の加工負荷・発熱を減らす事に加え、加工条件・加工パターンにも極めて特殊な方法を用いています。
また、前提として、高速回転のスピンドルが高回転領域で振れないこと、機械のXYZ軸がサブミクロン単位で正確に形状をトレースする事は必須です。
もちろん、現実的な加工時間で加工を終わらせるために、マシンのサーボパラメータの最適化による加減速のコントロールも不可欠です。
マシン・工具・加工条件・加工パターン全てにおいて20以上の工夫をしています。