第89回『新入社員とともに』

新入社員とともに 2013_04_08

4月1日、由紀精密は1名の新入社員を迎えた。1名というとずいぶん寂しい感じがするかもしれないが、そもそも新卒採用をするのは、2011年に初めて1名を受け入れて以来2回目。中途採用が多かった。得意先からの仕事量の変動が予測できず、少なくなったら?と考えると定期的な採用活動が行えず、いざ、大量の仕事が同時に発生してしまうと、慌てて中途採用を募集する。こういう状態が定常化していた。しかし、何色にも染まっていない新鮮な人材を定期的に採用したいという想いは強く、ウェブサイト上で新卒採用案内を出すなど、採用活動を行っていた。

 

高田飛丸くんは20歳。高等専門学校を卒業し、由紀精密の開発部で4月から働く。

 

彼は、由紀精密のウェブサイトから、直接就職希望のメールを会社に送り、面談でも、熱く入社希望を語ってくれた。ロボコンに参加していたこともあり、3次元CADを使っての機構設計、電子工作もこなす。工業系の5年制高等専門学校だったこともあり、機械工学の一通りの勉強もしてきている。大変心強い。あまり期待が先行し、プレッシャーをかけすぎてしまってはいけないが、今、多くのプロジェクトを複数抱えて身動きが取れなくなっている開発部にとっては、即戦力である。

 

彼を迎えるにあたり、入社式を行った。会社の会議室に集まり、社長の挨拶から始まる。良い機会なので、会社の目指すところ、どんな会社か?ということを一人の新人のためにだけでなく全社で共有するため話した。

 

その後、社員全員の自己紹介。一人一人の自己紹介に笑いが起きる。あらためて楽しい仲間ということを認識する。最後に質問コーナー。高田くんに対する質問は、後を絶たなかった。豪華とはほど遠いがアットホームな由紀精密らしい入社式ができたと思う。

 

上司が部下に仕事を頼む時、「部下はどんな反応をするか」というおもしろい記事を読んだ。(1)たくさん仕事を抱えているのに笑顔で、「その仕事もやりたいです、いつまでにやりますか」という人(2)少ししか抱えてない仕事をすべて挙げ、不機嫌そうに「これとこれの仕事があるから、それはできません」という人(3)本当は仕事が欲しいのに、「そこまで言うならやりますよ」ともったいぶる人。(1)の反応なら、仕事を頼みたくなり、スケジュールも調整してあげようという気になる。

 

実は、こういう反応は本人は知らず知らずのうちにしている。直接技術には関係ないが、重要な事だろう。仕事に対する姿勢は、初めが肝心だ。筆者も最初に勤めた会社の仕事スタイルが今でも染み付いている。社会人1年目、責任を持って育てて行きたい。

20130408

(日刊工業新聞 4月8日付オピニオン面に掲載)